私の人生を変えた本第2弾です。

私が読書教に入信した(笑)初めての本は『毒親対処法3-8イヤな人と関わりをたつ』でお話したセネカ著『人生の短さについて』です。
更に信仰を深めた(笑)本がこの『子どもへのまなざし』(佐々木正美著、福音館書店)です。

 

出会いは、まだ親とは絶縁していない頃。子どもが産まれる直前。
確実な子育てへの不安。せめて精神的に健康な子どもに育てたいと焦っていました。
自分がうつ病だった。「精神的に健康」ってどうやれば? と疑問に思っていました。
不安や焦りや疑問を全て払拭してくれ、今でも読み返している素晴らしい本です。

 

また「こんな親がいたらよかったな」と戻らない自分の子ども時代を悔やみ涙した本でもあります。
それだけ温かい雰囲気のある本でした。

 

お母さんが幸せじゃないと、子どもは幸せになれない

『…相手に共感できるようになるというのは、いったいどういうことなのでしょうか…結局、人間は自分が幸せでなければ、こういう感情をもつことはできないのですね。幸せな人ほど…人の喜びも自分の喜びにすることができるのです。
まず自分自身が幸せでなければ、子どもを幸せにすることなんかできないのですね。幸福な人に育てられないで、子どもが幸福になるなんてことは、ありえないと思います。(pp196-199)』

 

つまり子どもが幸せに生きるために親ができることは、
家事を完璧にこなすことでも、お金を沢山稼いで贅沢させることでも、「理想的な」母親になることでもなくて、

 

お母さんやお父さんが満たされて、幸せであることなんですね。

 

それまでは何かを我慢すれば・無理して育児をこなせば・責任を果たせば良い親になれるのかなと漠然と思っていました。

 

母親になると覚悟を決めなければならない。
与えるばかりで、自分を差し出さなければならない。
自分の時間なんて取ってはいけない。
みたいな変な力みがあった(笑)。

 

でもそうじゃないんですね。
親の責任とはつきつめれば「親自身が幸せに生きること」と気づかせてくれました。

 

こういったことを優しい語り口調で教えてくれる本。
それがこの『子どもへのまなざし』なんです。

 

それまで「幸せになる」ということについて深く考えなかった私に「幸せにならねば」という意識が芽生えてきました。

 

不幸・精神的に不安定であることに慣れすぎていた私。
両親は「不幸」が大好き。(『毒親は不幸が好き』)
私も同じ生き方をすることがある意味「親孝行」だった。
でももうそれを見なおしていいんだ! と安心しました。

 

毒親育ちの生きづらさの根源が理解できる

この世に生まれ出た赤ちゃんが幼児、少年時代、青年期を経てどのように育っていくか。
そして各時期に必要な「心の栄養」は何なのか。
特に乳幼児期の養育者の態度が1人の人間の人格の基礎を左右する、と厳しく指摘しています。

 

育児においてよく言われること(厳しくしたほうがいい、叩いてしつけるのか、過保護はダメだとか)が当てはまるかどうかなども、児童精神科医である著者の科学的根拠のある知識と経験・日本社会の背景を織り交ぜて語ってくれます。

 

引用したい部分が山ほどありますが、特に心を打たれた部分を抜粋しますね。

 

『でも、そういう自覚がかならずしも、みなさんのなかにない場合があります。…まあ、けがをしないで病気をしないですめば、それでもう、だいたいいいのだなんて思っていらっしゃると、これはとんだことであります。大ちがいだろうと思います。(p17)』

 

・・・個人的にここのくだりがスカッとします(笑)。
私の父親はいつも「怪我もしないで病気もしなけりゃ育児はそれでいいんだ。それ以外の望みなんてくだらない」みたいなことを言っていたんですね。
でもそれを「大ちがい!」とバサッと切って捨てる著者。嬉しい気持ちになりました。

 

『…育児は、ひとことでいえば、子どもの要求や期待に、できるだけ十分にこたえてあげることです。せんじつめればそれだけのことです。…そして子どもの要求にこたえてあげて、こちらから伝えたいことは、「こうするんでしょ、そうしちゃいけないんでしょ」と、おだやかに何回もくり返し伝えればいいのです。いらだったり、しかったりする必要はないのです。「いつできるかな、いつからできるかな」と、それだけのことで、だいたいいいのです。(p19)』

 

『親は手のかからない子、かけさせない子がいい子と思っていしまいますが、それは本当は間違いなのです。それはただそのとき、育てやすい子であったというだけで、そのほかのことはなにも意味していないのです。
いくら泣いても、親がきがつかなかったり、面倒がったりすると、子どもは泣いて訴えなくなります。忍耐づよい、がまんづよい子になるかというと、そうではありません。泣いたって、叫んだってだめなんだという、お母さんにたいするある種の不信感と、自分自身にたいする無力感をもって、おとなしい子になっているだけなのです。ちっとも順調な発達ではないのです。
親に手をかけさせる子どものほうが、いい子だと思うのです。…小さい時に親を楽させてくれる子が、いい子だと思うのは思いちがいなのです。(p121)』

 

難しい言葉がなく、すんなり読める本です。
優しく、時に厳しく語ってくれる「お父さん」の様な本でした。

 

読んで下さりありがとうございました。

 

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(スマホ向けリンク)人生の短さについて (1980年) (岩波文庫)
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