解毒法2(補足2)-感情がわからない時は、快・不快で決める


 

……私は気がついたら、自分がワケワカラナイことになっていました。

 

どこに行っても何をしていても気に入らない。飲食店の店員さんの些細な態度にブチ切れて店を出る。と、思えば急に悲しくなったり何もしたくなくなったり塞ぎこんだりする。楽しい・嬉しいと思えることの幅が狭すぎてなかなかいい気分になれない。(約15年前のことです。この頃は精神科に通って専門家に助けてもらっていました。)

 

「自分はどう思っているのか・どう在りたいのか」なんて全くわかりませんでした。

 

一方心のどこかで、このままじゃやばい、もっと違う自分になりたいと切望してもいたんだと思います。自分をコントロールできず苦しくて、今の夫に相談したら、「目の前のことを、まずは快・不快で考えてみたら?」というアドバイスを受けました。

 

  1. 快・不快で分ける。
  2. 不快なことはやらない。快なことはどんどん取り入れる。
  3. 不快なことを「やらない」自分を責めない。快を「求める」自分を卑下しない。

 

まずは「快・不快」「○・×」「OK・NG」「好き・嫌い」と言葉は何でもいいんですが、わかりやすく2つに分けてみました。理由は横に置いておいて、直感を大切にするのがポイントだと夫は言っていました。そしてなるべく(他人の迷惑にならない範囲で)不快と思うことはしないで、快と思うことをしてみました。
 

 


身近な物から、快を集める

とは言っても、感情としての快・不快も難しい時は、まず「物の力」を頼りにしてみるのもいいです。物の力、あなどれません。特別な物でなく、普段使っている物でいいんです。例えば、

 

  • タオルを、何でもいいやと使うのではなく、少しでも気に入る柄のタオルに変えてみる。
  • いつも使っているボールペンの色を好きな色に変えてみる。
  • 部屋着を可愛いものに買い換える。

 

など小さなことから始めました。小さなことですけれど、ちょっとずつ自分の身近なところから「快・好き・OK・嬉しい」が増えれば、自分も少しずつ楽になっていきました。

 

快>不快。快がたくさんたまってきたら、ちょっとの不快にも耐えやすくなりました。今まで「不快」過ぎたんです。不快なのが当然なのだと思い込まされていたんですね。不快と上手に付き合える人というのは、まず自分の「快」が満たされているからでは、と今になってしみじみ思います。

 

快・不快だけで決めていい?

「好き嫌い」で決めるなんてワガママだ! と思っていました。でも本来、誰かに直接迷惑かけないことなら、何を選んだって自由なはずなんですよね。

 

直感的に不快なことを進んでやらされ、やらないと罰が来ていた毒親育ちにとっては、快・不快で決めた自分を責めてしまいがちです。

 

責めなくていいんです。不快なことでも(親のために)進んでできることが強さや美しさの証明だと教えこまれてきました。それは一理あることです。でもここで履き違えてはいけないことがあります。

 

辛い想いをし自分を消耗させながら、他人のために何かをしても、その相手は心から喜ばないということです。イヤイヤながらも人(親)のために何かをするのを喜んでいたのは毒親だけです。「毒親」はそれで満足したかもしれませんが、人の気持ちの分かる人は、ムリさせていることを察したら気分が悪くなるものです。「イヤイヤながら」は伝わるんですね。

 

また、自分も「イヤイヤながら」やったからには、「相手に満足してもらわないと」割に合わない気がしてきます。

 

自分が満たされれば必ず、自らが進んで本心から、他人のために何かをしたいと思える日が絶対来ます。なのでまずは自分を満たす。自分がワケワカラナイ時は、他人のことまで考えすぎず、自分に集中したほうがいいんですね。

 

また、自分の「快(欲求や要求)」を親に出すと「汚いもの・浅ましいもの・恥ずかしいもの」と言われて(時には罰されたりして)きたこともあり、自分の快を自分で嫌っていました。でも、自分を満たすためには自分の欲求と向き合わなければいけない。「解毒法ー 2(補足1)感情は大切なもの」でもお話したとおり、快・不快だって自然に備わっているもので悪いものでも何でもないんですね。それをまず自分に許しました。

 

欲があることはいいことなんです! 欲に気づけば自分を満たすことができ、そしてそれは最終的に他人を満たすための礎になると考えるからです。「自分の欲求も大切なもの。だから大丈夫!」と自分にちょっと優しくすることにしました。

 

ちょっとずつ、本当にちょっとずつですが、出来る範囲で少しずつ続けていくことで、今の幸せな心境にたどり着きました。皆様も焦らず、できるだけご自分に優しく歩んでいけたらいいですね。
読んで下さりありがとうございました。