短評『毒になる親 一生苦しむ子供』


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スーザン・フォワード著、講談社プラスα文庫


おすすめ度:★★★★★5:基本教則です(笑)
読みやすさ:★★★3:文章自体は難しくないですが、精神的に辛いかも


この本について触れているサイト内ページ:
「毒親」って何?、 毒親と普通親の違い その2

 


本の概要

「毒親」という言葉を生み出した、元祖家元の本です。
毒親の解説、体験記、毒親育ちが自分の人生を取り戻す方法などについて詳しく書かれています。

 

毒親に悩む人々に関わってきた著者の、長年の経験からくる鋭い洞察が展開されています。
様々な視点から毒親を分析してあり、視野が広がります。

要所要所で、毒親育ちを擁護する力強い言葉があり、心強くなれます。
自分にとって心地良い言葉に線を引き、何度も見返したものでした。

 

そしてこの本の象徴的な毒親問題解決策が、「対決」です。
「親に向かって、はっきりと自分の気持ちや要求を述べて、自分が親とは違う一人の人間であることを表明する」ことが必要であると説いています。
親が健在している場合や、亡くなっている場合などに分けて、その方法を具体的な例も含めて紹介しています。

 

また、他人に勧める時にも最適な本です。
普通親育ちの人は、「毒親」という言葉すら知らない方が多いです。自分の問題について理解して欲しい時に、この本を渡すのも一つの手だと思います。

感想

この本は「毒親と普通親の違い その2」でもちらりとお話しましたが、買った当初、私はちっとも読めませんでした。

 

読みたいんだけれども、読めない。一字一句で、ドスーンと心にくる。
そうそう、そうなのよ、という気持ちと同時に、やり場のない怒りが湧いてきます。
もう、乱れて乱れて心が乱れて、とても読んではいられなかったです。

 

そこでとりあえずこの本はやめて、他の本を読むことにしました。
読書を始めたばかりの私。もう必死でした。読書教かよ!と思うくらい必死に。
それくらい、楽になりたかった。生きていくのが辛すぎた。
夫の「読書したら楽になる」という言葉を経典のように唱えながら(笑)。

 

その後何年か経ち、ふと読もうと思える時が来て、なぜかスラスラ読めるようになりました。
他の本から色々な見方を獲得したのと、親から離れて解毒が進んでいたからだと思います。

 

「対決」のことを初めて読んだときは、「こんなこととてもできない」というのが素直な感想でした。

 

実際、私も「絶縁宣言」の手紙は書いたけれども、この本に則った「対決」というのはしていないと思います。親に自分のことを認めさせてはいないが、でも、自分の精神と人生を取り戻すことはできる。
(対決以外の方法については、『不幸にする親』に詳しく書かれてあります。)

 

この本とは、長く付き合いました。何度も読み返しました。
毒親問題と正面から向き合って、前に進むためには必須の本だと思います。
この本があったから、今の私があると言えます。

 

読んで下さりありがとうございました。