親を部分に分けて考える


以前どっかの政党が「仕分け」っていう政策を行っていましたね。
白いスーツを着たキリリとした女性議員が「NO2じゃダメなんですか?」とか言って物議を醸し出していた、あれです(笑)。

 

それを、自分の親に対してもやってみようということが今回のお話です。

 

親から「親」というラベルを一旦取り、色んなカテゴリからなるべく冷静な目で見ます。
大型家電を買うときのように、カタログ比較する(笑)感じです。
なるべく私情は持ち込まずにやってみます。
長所・短所をあげます。

 

  • 親として
  • 夫婦として
  • 男性・女性として
  • 社会の一員(仕事ぶりなど)として
  • 地域の一員(近所づきあいなど)として
  • 彼らの子ども時代
  • 自分の友だちだったらどうか
  • 自分が育つにつれてどう変わったか
  • 家族の歴史はどうだったか

 

などです。

 

例えば私の父親の仕事ぶりについて、長所短所を挙げてみます。

 

(長所)
  • 仕事を徹底してやっていて、顧客に満足してもらっていた。
  • 顧客満足を得ることで、地域の経済活性化に貢献していた。
  • 地域の活性化=各家庭が潤う=各家庭の平和に貢献している。
  • 時間を必ず守っていた。
  • 仕事が早かった。
(短所)
  • 熱中しすぎるところがあった。
  • 仕事第一で家庭がおろそかだった。
  • 「社長・ひとりで築き上げた」というプライドが高く偉そうだった。

 

私の母親を一人の女性としてみてみます。

 

(長所)
  • おしゃれが上手だった
  • (仕事には)努力を惜しまないタイプだった
  • 計算が早かった
  • 買い物上手だった
  • 料理の手際がよかった
(短所)
  • 「自分」のない人だった
  • 感情のまま動くタイプだった
  • 嫉妬が激しい
  • すぐ人のせいにする
という感じです。

親を部分に分けると「自分」も見えてくる

私は初めは「親」ってだけで過剰反応していました。

 

坊主憎けりゃ袈裟まで憎い。
自分の親の全てが汚くて・ダメで・見たくないような最悪人間に思えていました。
「親」に関わる何かに触れただけで、ブラックホールの如く飲み込まれるような感情の渦に巻き込まれていました。

 

とてもじゃないけれど、冷静に親を見ることなんてできませんでした。

 

(※毒親から精神的な距離が十分取れていない方はこの作業は控えたほうがいいかもしれません。「毒親と向き合って乗り越えるぞ」という力が湧いてきた頃に、この作業に入ることをオススメします。)

 

親と絶縁し、落ち着いていろいろな本を読んでいくうちに
「自分の思うことが、自分の住む世界に反映される」みたいな文言を所々で見かけるようになり、
その考えをもとにさらに考えていくと・・・。

 

誰かを嫌ったり憎んだりすることはつまり、自分を嫌い自分を憎むことなんですね。
つまりは誰かのことを「完全に悪い人間」と思っていると、無意識のうちに、自分のこともそう定義してしまう。

 

・・・苦しくなるんですね。
完璧な人間なんて居ないって頭では分かっていながら、自分の短所(=多くは毒親からもらった嫌な習慣や考え)を絶対に許せない。
そして自分の親の存在も許せない。消して無くしてしまいたい。自分の一部分なのに。

 

どんどんどんどん、凝り固まってくる。ちょっとした他人の言動にイライラする。

 

どんな人がいても、いいんだって思える。
そう思えると、自分の存在もいいんだって思えるのでは。
(=親を「そういう人っているよね~」位の「視界に入らない」存在にしたかったんです、説明しづらいんですけれど。)

 

そう思えるためにも、一番キライだった人のことを冷静に見て仕分けする必要があると考えやってみました。

 

初めはちっとも「長所」たるところが見つかりませんでした(笑)。
でも就活する時のような無理矢理なこじつけをしていくうちに、だんだんと「多様な見方」に慣れてきて親を「一人の人間として」冷静に判断することができました。

 

当たり前なんですけれど、親も一人の人間として人生を歩んできたんだなと改めて冷静に見つめることができました。
(決して、だから許そうとか、親の行為は仕方なかったとか言いたいわけではないです。)

 

そうこうしていくうちに親の「過去の行為」も、酷い順にランク付けして冷静に見ることもできました。
(※過去の行為を思い出して辛くなるうちは、絶対にムリしないでくださいね。)
何が一番自分にとって許せないことだったのか。
嫌だったけれど(仮に謝ってもらえれば)許される範囲内の行為もあった。などです。

 

そうすると、自分の境界線(=他人に侵されたくない絶対的な砦)のラインがはっきりしてくる。
自分がどんな人間なのかも見えてくる。
何を嫌い、何を許せるのか。
人間関係を築く上で一番基礎的な部分についても一緒に考えることができました。

 

読んで下さりありがとうございました。

【ご参考】「自分の考えることが自分の世界に反映される」ーこの記事を書くにあたって参考になった事柄。

その1【マザーテレサさんの名言】

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。


その2【『BASHARGOLD』より抜粋】

現実は鏡、自分の意識を映し出しているー一人ひとりの現実について見てみると、皆さんが誰かと会ったとき、ある状況に出会ったとき、もしくは何か物に出会ったとき、大切なのは、その人、状況、もしくは物に対して自分がどのように感じるかに注意することです。・・・

・・・それを感じることによって、自分の持っている観念や信じていること、本来のあなた自身がさらに良く見えてきます。

・・・自分の与えるものが自分の受け取るもの。これだけです。・・・この物理的な現実も自分の外にある世界ではない、ということをわかってください。

 

・・・最初のステップは次のようなことです。何かを見たとき、まず「これは何かのシンボルなのだ」という見方をします。そして、自分はそのシンボルに対して個人的にどんな意味を与えているのかとよく見てみます。

 

・・・物理的な現実のあらゆるものを、自分の意識の姿勢が表れているシンボルとして見始めてください。・・・それを理解すると自分の現実を変えることができます。』(『BASHARGOLD』p25-28)


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